アジア太平洋三人行

第17回 人民元の国際化を乗り越え、中国は資金供給国としての役割の認識が必要に
貯蓄超過のアジアの資金をアジア内で循環させるには、金融取引の障壁を低くし、資金が流れる仕組みや環境の整備が不可欠だ。パンダ債発行や人民元との直接取引開始等で官が先行しているが、5-10年をかけ民間にイニシアティブを移すことが必要となろう。人民元の国際化は不可避であり、自由化の速度をどう調節するかが課題だ。中国が地域間の資金偏在を解消できれば、日本とともに世界に対し資金の根源的な出し手の地位にいたる。そのとき、日中両国が協力しあえば、世界への貢献度、発言権はきわめて大きくなる。それは、今後10年、20年の間に、政府や民間が互いに意識して連携できるかどうかにかかっている。

出演者

国際協力銀行副総裁
渡辺博史 氏
2012年7月27日
出演者等の見解は収録日時点のものであって、今後予告なく変更されることもあります。