アジア太平洋三人行

第15回 内需主導に向け、中国は為替レートの制限緩和と需要拡大策が必要
中国は、輸出依存による高成長から、内需拡大による成長持続を目指していかねばならない。今後、必要な政策は、為替レートについて固定制からバスケット通貨制の方向に動いていくこと、経済成長を維持するために内需の中に成長を支える柱を作っていくことだ。内需には、消費だけでなく、住宅投資、公共投資があり、政府消費として教育、年金、医療、社会保障も増加が見込まれ、各分野で適切な政策対応が必要となる。為替レートに関しては、バスケット通貨のウエイトを徐々に変えていく調整が適当だ。今後は、元とユーロ、元とウォンのように、自国通貨と他国通貨との交換開始というかたちで取引を拡大していくべきである。

出演者

慶應義塾大学 経済学部 教授
吉野 直行 氏
2012年6月4日
出演者等の見解は収録日時点のものであって、今後予告なく変更されることもあります。