アジア太平洋三人行

第8回 境界の思想から共存の思想へ
国際政治の発想として、「俺とお前たちは違う」とラインを引く境界の思想がある。一方「私とあなたは違うかもしれないが、お互い仲良く暮らしましょう」という共存の思想がある。19世紀までヨーロッパの基本的な動きは境界の思想であって、そうして自分たちの世界を拡大してきた。しかし、もともと文明は並列的に存在し、相手に対抗する場合でも文明の新しい担い手が、共存の思想を持って進んでいけば衝突は起こらない。そういう衝突が起こらない世界を作っていくことが期待されている。

出演者

一橋大学 学長
山内 進 氏
2011年7月26日
出演者等の見解は収録日時点のものであって、今後予告なく変更されることもあります。